グーグル・プリント・プロジェクトの停止(過去記事)から2ヶ月ちょっと。これが,本当の,紙の本の_終わり_だ。
quote:グーグル社は,何百万冊もの本をデジタル化してネット上で検索可能にする,論争の的となっているグーグル・プリント・プロジェクトの計画を再開しようとしている。著作権の侵害を理由に出版社と著者は反対し,法的圧力をかけているが,検索の巨人は絶版の本に集中するように,ブログで述べている。グーグル社は反対を受けて8月にそのプロジェクトを凍結したが,10月中旬に米国出版社協会(AAP)から訴訟を受けた。また,著者協会も著作権侵害でグーグルに集団訴訟を起こしている。グーグルはブログで,「我々はほとんどがすでに著作権のない本で,わずかな新しい本を含む図書館の棚から,作業を始める」と述べている。
紙の本がなくなるまでに,あと何年かかるだろうか? 数年の時間がかかることは諦めるとして,しかし,あと数年で十分だ。数年後には,たぶんPDFになる可能性がもっとも大きいが,そのファイルフォーマットで本は売られ,わたしたちはそれを購入し,パソコン上でその本をめくってテキストを読み,画像をみることになる。アマゾンの先日の,本文内容を検索できるようにし,ページ単位で本を売る計画の発表も(過去記事),アマゾンは直接は云わないが,紙の本の終わりへと,コマを進めるひとつだ。
そして,マイクロソフト社は英国図書館とともに,10万タイトル,2500万ページを同社の本検索サービスで来年利用できるようにすると発表した(The Registerの記事)。もう,あしたの本の利用方法はすでに決まっており,出版社だろうと著者だろうと,そんな人間たちが口をはさもうとしているような利用方法など誰も望んでいないのだ。グーグル・プリント・プロジェクトの再開は,紙の本を燃やし尽くし,永遠に読み継がれる確かな未来の本をこの世に生み出すことになる。わたしたちは,その新しい本の生誕を祝う,カクテル・グラスにワインを注ぎ入れる準備をしよう。
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